新・虫の眼 2019年5月号のキーワードです。

第17回 伝えること、伝わること、その難しさが翻訳にはあります

  • 知ったかぶりの付け焼き刃の語学は、ケガの元になります

 

 客先からの文章を翻訳してみましたが、2つの単語が複数重なって熟語になっていましたので、たぶんこうだろうと思って翻訳しました。ところがこの2つの意味不明の単語の翻訳が逆になってしまうものだったのです。これを添削した通訳が激怒し、何のために私たち通訳が要るのかと諭されました。知ったかぶりはダメだと謝罪し、今後一切翻訳はしないことを約束しました。

 

  • 通訳の人たちと一心同体になることが大切です

 

 通訳と一心同体になることは何を言おうとしているかを考えたうえで、伝えたいことが相手に伝わると仕事はうまくいくのです。そのために通訳と約束を守ることを徹底しました。それは時間を守ること、訪問した企業での議事録と報告書を必ず提出して内容が間違いないかを確認してもらい、祖語があればすぐにフィードバックして是正することでした。

 

  • 伝わったかは眼を見て判断し、時には身体を張って伝えます

 

 同行する時はすべて通訳が翻訳してくれます。週末の買い物や散歩などは、「Das(これ)」といって指で1つ、2つとやればよく、レストランなどの勘定も電卓をたたく仕草で立派に通じます。あとは恥知らずのジェスチャーと度胸を駆使すれば通じます。日本の最大級の謝罪の仕方として、床にひれ伏して土下座も彼らに披露します。

  

 

図1. アパートで日本人だけのホームパーティーは、日本語だけなのでとても気楽です

図2. ジェスチャーは得意です。土下座もいとも簡単にやってしまいます