新・虫の眼 2019年8月号のキーワードです。

第20回 粉文化と粒文化の違いはあれ、それぞれの奥深いのが「食」です

  • ヨーロッパではパン、日本では米が主食です

 

 日本では99%が主食のご飯での食事でした。パンはお菓子であり、おやつの部類になっていました。ヨーロッパに行くようになり、逆に朝昼晩がパンになってしまいました。ドイツでご飯を炊くことはありませんでした。しかし、食についてのコラムを持った10年前から、ご飯も食べるようになりました。

 

  • ソバの実は粒ですが、日本では粉にして食べます

 

 ロシアやチェコなど東欧では、一部ソバ(穀類や農作物としてはこの表記をします)をお粥風やリゾット風にして粒のまま食べています。食べる時はスプーンです。ロシアの体操選手やバレエダンサーなどはダイエットも兼ねてソバを愛用しているそうです。日本のように、ソバをすり潰して粉にして、そばのように麺にして食べるのはアジア系の中国や韓国の食文化です。ソバは水の少ないしかも痩せた土地に栽培されるのが普通です。

 

  • コーヒーとコーラと炭酸水VS味噌汁とお茶と漬物

 

ご飯には、やはり味噌汁とお茶が合います。さらに漬物です。おにぎりには、漬物、焼き魚、梅干し、海苔などで包み込みます。挟むやり方ではなく、包むやり方です。主食が違うと、それに合わせる副食材も食文化の違いがあり、それぞれを組合せた新しい味を発見したいものです。

  

 

図1. 南ドイツで定番になっている塩パンです。中にバターが塗ってあります

図2.粉文化のナイフ、フォーク、スプーンに対して、粒文化は箸1つで対応できます