新・虫の眼 2019年12月号のキーワードです。

最終回 環境も景観も、さまざまな「眼」で、過去と未来を見たいものです

  • 日本の店と広告宣伝は、周囲に関係なく派手です

 

 日本の宣伝広告は看板によくみられるように、赤や黄色が多く使ってあるだけではなく、いかにも人目を惹くように派手になっています。高度成長期の前の日本は、世界的にも慎ましい国の一つでした。でも現在は、侘び(わび)や寂(さび)というのが、茶道か華道のごく一部の世界になってしまったようです。

 

  • 周囲の環境への配慮が、徹底しているのがヨーロッパです

 

 ヨーロッパでは、電柱がほとんど地中に埋められていますので、とても街の景観が良いのです。電柱がないので、歩くにも自転車や車にとっても見やすく、事故にもなりにくいのです。でも出張すると、未だに街中で電柱を見ることがあります。

 

  • 新旧のモノをうまく混在させて、調和を図りましょう

 

 古いものと新しいものを、上手く調和している街の代表が日本では京都です。時代の流れを読み取るという魚の眼で、ものを見る力が備わっていると思われます。過去や未来を想像しながら、街並み全体像をどうしていくのかを、俯瞰する鳥の眼も大切です。取捨選択を繰り返しながらも、いつも調和を考えていく必要があります。それだけではなく、個々も日々変化しています。ミクロ的な見方で詳細に見て、さらに全体像も鑑みながら、どの方向に進むべきかを考えていかないと世の中の変化に追従できません。日本だけでなく、海外にもいつも視点を置き換えながら自分自身の座標の位置を確認して、世の中のために貢献できることを考えたいものです。

 

 

図1. スイスの街角で、木の下で思い思いの休憩を取る人たち

図2.虫の眼、魚の眼、鳥の眼で視点を変えて、世の中を見てみましょう