ヒューマンエラー防止策 2020年 3月号のキーワードです。

第3回 指差し呼称と同時チェック方法 

  • 「モヤモヤゾーン」の改善で、ハインリッヒの頂点をゼロにできます

 

 ハインリッヒの法則の下にヒヤリハットなどがたくさんあります。これを「モヤモヤゾーン」呼びますが、これを改善して、分母を小さくしてしまえという作戦です。そうすれば、小さな事故の300件を1/10にすれば、29件だった分子は、0か1になります。そうすれば、頂点にあった分子の「1」は、ゼロになります。

 

  • 指差し呼称の効果は大きいが、緊張感を継続して実践しましょう

 

 鉄道各社がやっている指差し呼称です。これは日常の通勤でもその様子は確認できます。見る、指を指す、体を向ける、声を出すといった一連の動作を、体全体を使って確認して喚起しているのです。これをやると何もしない場合のミス防止は、1/6にできるのです。これを2回繰り返せば、1/6×1/6=1/36になります。

 

  • ダブルチェックよりも同時チェックでさらに確実に

 

 同時チェックは、一人でなく二人に同時に時間差なしで、しかも一方が読み上げて、他方が聞きながらチェックする方法です。時々読み手と聞き手を替えて、一方的にならない工夫もします。これならダブルチェックのさらに1/100以下になるそうです。実際に色々な職場で実施してもらっていますが、ダブルチェックよりも効果があります。これに指差し呼称を2回繰り返すことで、現状よりも格段にミスを防ぐことができます。

 

 

図1. ハインリッヒの法則の下に「モヤモヤゾーン」があり、それをまず潰すことです

図2.指差し呼称を2回繰り返し、さらに同時チェックと念には念を入れます