ヒューマンエラー防止策 2020年 6月号のキーワードです。

第6回 パッと見てスッとわかるように現場を整備

ドイツでは、なぜレッドカードをお尻のポケットからだすのでしょう

 

 ドイツでは、レッドカードをお尻のポケットに入れて、イエローカードは胸ポケットに入れて区分しているというのです。そのために、レッドカードはドイツ語で「ヒンター・カルテ」(後ろ、お尻のカード)とも教えてくれました。サッカーの試合がテレビ中継でありますが、昔のテレビは白黒だったので、カードがライトに照らさせるとどっちかわからないことがあり区分したようです。

 

文字よりもわかりやすい図形やイラストを利用しましょう

 

 図1の矢印は、右方向に向いていますが、説明は「左を見よ」とあります。さて読者の皆さんは、どっちをご覧になりましたか? これもセミナーで使う事例ですが、ほぼ全員が矢印の図形の方向である「右」側を見てしまいます。意地悪ですね。 

これは読むという行為よりも、見て反応する行為の方が断然早く、しかも認識しやすいのです。このやり方の方が間違いも少なくなりますので、現場の表示標識も正しいものに変えていきましょう。

 

「組織的な問題」の解決は、低コストで一番効果があります

 

「組織的な問題」は最も即効性のある打ち手と考えます。ぜひ現場を見渡してみてください。数年前からの変色した手順書、現実とは違うルール、間違いの多いマニュアル、そのまま作業すればミスが発生する標準作業類、口頭で済ましている伝言など、不安定要素が実に多く現場にあります。さあ、まず掲示物から見直しをしましょう。 

 

写真1. 著者の左右のポケットには、それぞれのカードが入っています

図1.矢印の方向と違う指示、さて左を見ましたか?