ヒューマンエラー防止策 2020年 最終回のキーワードです。

最終回 お金より労力と時間を使うことが大切

正常、異常、途中経過がわかるように「見える化」する

 「見える化」することで、次の行動をどうやればよいかが見えてきます。そして、次の行動はどうすれば良いかの対処もわかります。さらに“清掃”の思想と同じように、汚れを取りキレイにすることで、原因や真因がわかり、再発防止策も考えて対処する習慣を身につけていくことが大切です。時間はかかりますが、その効果は想像以上です。

 

正しい仕事ができるように、職場の環境整備を行います

 

 煩雑な作業をさせないという組立作業必要な部品しか供給しない“オーダー別ピッキング”があります。工員は一切検数や選択をしなくてもよく、ネジやナットまで必要数だけを供給し、さらに特殊工具もその時にだけ提供し、作業が終われば回収する仕組みをつくりました。煩雑さから解放し、ミスやエラーを激減できます。(写真1)

 

チームマネジメントを、上司やリーダーが率先してやりましょう

 

 ヒューマンエラーの発生するさらなる要因として、著者が考えているのが職場の人間関係の良さ悪さです。正常時は問題ありませんが、異常や異常の前の「はてな?おや?なに?」といったヒヤリハットの前の「モヤモヤ」状態になれば、すぐに周りの人と共有化する勇気をもった職場の雰囲気にしていくことが大切だと考えています。

 率先して「自ら考え、自ら考動し、自らの価値を上げていく人を育てる」ことを取り組む過程で、職場の雰囲気は変わり、そしてヒューマンエラーの要因も次第に消滅していくと考えます。

 

 

図1. 発注カードと納期管理のポスト

写真1.オーダー別ピッキングの台車(組む順番に必要な部品が並べてある)