テーマ⑥ からくり


テコの原理

 “からくり”の妙は、お金をできるだけ使わないで知恵を使ってやってのけることです。空を飛びたいという夢は誰でも持っていますが、この勇氣ある男性は、パラシュート、シーソー、ヘルメットの装備だけで空を飛びました。

 クレーンのロゴを見ると「Liebherr」のようですが、南ドイツの有名なメーカーです。クレーンが重石を落としていますが、その落下点に向かって男性が駆け込んでいきます。重石の落下点にシーソーをセットして、落下の一瞬を待ちます。そしてシーソーの力点の位置に重石が落下します。

作用点に乗っていた男性は、勢い良く空中に発射?されます。一瞬なので、カメラも追従できません。やがて男性を見つけて、パラシュートでゆっくり舞い降りる男性を激写します。

 アルキメデスが、「俺に長~~~い棒を与えてくれれば、地球を動かすことができる」と豪語したと言われます。彼は当時から地球は丸いこと、また“テコの原理”も知っていたようです。(約34秒)



HONDA アコード

 このCMは、英国で人気投票ナンバー1に輝いた“からくり”を使ったCMです。最初に小さな歯車が転がり始め、少し大きな歯車に当たってその歯車が次第に「動き」を次々と伝達していきます。“からくり”のテコの原理、滑車の原理などを上手く使いながら、最初の歯車の「動き」を見事につないでいきます。

これは、Eテレの「ピタゴラスイッチ」の考えをそのまま反映しているようです。わずか5分の番組です。短いながらも最初と最後にビー玉の動きを、面白可笑しく見せてくれます。その数100種以上もあります。

しかも“からくり”のコンセプトである身近なモノである、家庭内の台所用品などを活用しています。このアコードの場合は、すべて車の部品を使っています。

 最後にスマートキーをONさせて、アコードの完成車をスロープから移動させます。合わせて天井からアコードの車名のフロッグが降ろされます。この“ウィット”が英国人を虜にしたと思います。(約2分)