テーマ⑤ 段取り替え


ベイビーピット

 このCMは、ハンバーガーメーカーM社のものです。若い親子3人がF1の観戦に来ています。赤ちゃんが急に泣き始めます。それを察知したF1ピットのリーダーが、すぐにおむつ交換とミルク補充の指示を出します。赤ちゃんをママから取り上げリレーで段替え台車に乗せると、同時に構えていたチームも一斉に段替えします。

 ゴミ袋をもつ人、マジックハンドでおむつを脱がす人、テンカフンをつける人、ミルクを飲ませる人、おむつをはかせる人、作業完了後にママに赤ちゃんを戻すチームワークの良さが光ります。わずか7秒の短時間の段取りです。

 段取り替えのエッセンスが、とても上手く網羅されています。➊1人でなくチームでやる。➋手順が明確で、確実に実施。➌事前準備が完璧。➍全員が良くトレーニングしている。➎手元化ができており、モノ探しがない。➏段取り替え台車があり、ミルクタンクは赤ちゃんの真上にありベストポイントになっている。と言ったことが、CMに散りばめられています。(約15秒)



1937の自動車レース

 これはドイツの古いビデオです。1937年のドイツのF1レースです。少し車のスタイルが違いますが、タイヤは4つ、ハンドルは1つと言うのは現在も変わりません。ナンバー“1”のローズマイヤーさんのチームは、このレースからタイヤ交換のナットの数を4つから「1つ」に変更しました。

 この当時もレースに、タイヤ交換があったこともわかります。良く見ると車軸に直接大きなナットを1つにして、さらにナットの2本の棒をつけています。タイヤ交換の人がハンマーでその棒を叩いてナットを外します。他の車は、普通の車のようにナットが4つのままです。

交換時間を短縮するために、ナット大きくして「1つ」にしたのです。そのために従来のタイヤ交換時間90秒を、わずか25秒に短縮できて優勝したのです。段取り替えでは、ネジやナットは極力なくす、減らすことです。段替え時間短縮のため、ネジやナット類は、「親の仇と思え!」と強調しています。(約68秒)