ヒューマンエラー防止策 2020年 10月号のキーワードです。

第10回 簡単ですぐにできる光と音の注意喚起

光と音を使って注意喚起させるエラー防止策があります

 

 注意式は、規制式に比べてコストがかからないので、比較的簡単に現場でも設置ができます。規制式は、それ以上の行為ができなく、次の作業に移れない強制的な面があります。まずは、喚起して違反をしないように仕向けます。それでもやってしまう場合に、少しコストがかかり複雑な動きも伴う規制式にステップアップしていくとよいでしょう。しかし、この光だけではどうしても喚起が不十分なことに、皆さんは気づかれると思います。目覚まし時計では、必ず音を併用しなければなりません。光よりも断然音が重要です。

 

パトカー、消防車、救急車のサイレンの違いは何でしょう

 

 緊急車両が移動するのがわかるのが、サイレンの音です。パトカーは、「ウー、ウー、ウー」のように聞こえます。消防車は、火事の現場に向かう時は、「ウー、カンカンカン」と鐘も鳴ります。消火した後の消防車のサイレンはどうなるかと言えば、「ウー」がなくなり「カンカンカン」のみとなります。消火したので、緊急を知らせる「ウー」は必要なくなるので鳴らさなくてよいのでしょう。

 

火災報知器の音は即行動につながる武器です

 

 製造現場で騒音のうるさいところでは、ランプや回転灯では報知が不十分なことがあります。製造ラインからの呼び出しがあっても気づかないことがあり、現場から苦情がありました。対策として考えたのが、火災報知器のベルでした。製造スタッフ室はパーテーションでしたが、その壁に取り付けました。呼出用のスイッチは各現場に設置して、その場に行かないと切れないようにしました。一発目が鳴った時は、心臓が飛び出るくらいビックリしました。パーテーションがスピーカーの筐体になって音が鳴り響くのです。即行動せざるを得なくなります。

 

図1. パトカー、消防車、救急車のサイレンの違い

写真1.異常が少なくなり、「アンドン」システムを導入することができました